右耳に多数の腫瘤があるとの主訴で当院に来院されました。
右耳の耳介~耳道入り口領域に多数の腫瘤が確認され、耳道内の観察は困難なほどの密な腫瘤の集団が観察されました。
右耳に多数の腫瘤が確認され、耳道の入り口が観察できません。
全身麻酔下にて電気メスなどで腫瘤を切除していきます。
腫瘤切除後:耳道の入り口がみえるようになり、耳道内から多量の耳垢が出てきました。
猫の耳垢腺嚢胞症
猫の耳垢腺嚢胞症とは、先天性または慢性的な外耳炎により、耳道内にある汗腺(アポクリン腺)の導管が閉塞し、単発または多発的に耳垢腺が拡張する疾患です。発症は稀とされています。
治療
単発性の場合は切除により治癒できますが、多発性の場合は切除後に再発する可能性もある為、注意が必要です。耳道閉塞により外耳炎治療が難航しやすいため、積極的な切除をお勧めします。