異所性睫毛

右眼の角膜潰瘍が治らないとの主訴で、かかりつけ医から紹介来院されました。

右眼には明らかな眼疼痛が観察され、角膜中央部やや12時方向に角膜潰瘍を認めました。同部位のフルオレセイン染色検査で染色がみられました。眼瞼裏には、角膜潰瘍に一致する異所性睫毛が認められました。

睫毛を抜毛し、処置後2週間で潰瘍の良化を認めました。

異所性睫毛

本疾患は、眼瞼裏の結膜に角膜向きに生えた睫毛によって起こります。若い犬に多く、急性の重度眼疼痛を示します。様々な犬種(キャバリア、シー・ズー、ペキニーズ、プードルなど)にみられ、上眼瞼にみられる事が多いです。

治療

内科的には睫毛を抜毛したうえで、抗菌薬点眼で経過を見る事が多いです。しかし、睫毛は再度生える可能性や別部位にも新たに生えてくる可能性もある為注意が必要です。

繰り返す場合には、外科的処置(毛根破壊、凍結処置、外科切除など)を考慮します。外科処置をしても別部位に生えてくる可能性もある為、何度が処置が必要になる事もあります。

2022年07月14日