犬の会陰ヘルニア

左のお尻が膨らんできたとの主訴で来院された患者さんで、左臀部の会陰ヘルニアが観察されました。

本疾患は未去勢が原因となる為、会陰ヘルニアの手術と同時に去勢手術も実施しました。

臀部を切開してヘルニア部を確認

ヘルニア部には指が容易に入っていきます(本来は入りません)

ヘルニア部に医療用のメッシュを入れ込み固定します。

メッシュを固定後に皮膚を縫合して終了です

犬の会陰ヘルニア

本疾患は未去勢の子に多く、男性および女性ホルモン(アンドロゲンとエストロゲン)が関与し、直腸を支えるお尻周りの筋肉が弱まり、孔が開いてしまった状態を言います。
 その孔から直腸やお腹の中の臓器が入り込んでしまい、排便・排尿障害が出てしまうことがあります。

ミニチュアダックス・マルチーズ・パピヨン・ポメラニアン・コーギーなどの小型犬に多くみられます。大型犬にも見られることがあります。

治療には外科手術が必要となります。手術方法には「周囲の筋肉で被覆する方法」「メッシュにて孔を塞ぐ方法」「精巣周囲の総漿膜を利用した被覆方法」様々な方法があります。
 手術したから安心という訳ではなく、再発のリスクもあるので術後も油断できません。

病院によって見解は違うかと思いますが、当院では6歳までには去勢手術をする事をオススメしております。

2021年11月14日