犬の前立腺膿瘍

前立腺膿瘍の治療中、当院へ来院されました。

前立腺内には嚢胞が形成されており、穿刺吸引にて膿瘍が観察されました。

前立腺の亜全摘および縫縮手術を実施し、組織を病理検査への提出を行いました。

前立腺を探り、背側面から押し上げ確認している

前立腺部分をきれいに露出したところ

前立腺内の膿瘍を極力除去します

片側の前立腺組織を出来る限り取り除きます(反対側も)

切除部位を埋め込むように縫合して終了です。

犬の前立腺膿瘍

前立腺膿瘍は、未去勢の高齢犬で細菌性前立腺炎からの波及か、前立腺嚢胞への細菌感染から生じるものと考えられています。

しかし前立腺膿瘍には、細菌感染によるものの他に悪性腫瘍が壊死して膿が溜まっている場合もある為、慎重な判断と治療が必要となります。
 前立腺癌が原因となるものや前立腺内を通る尿道から浸潤した移行上皮癌などもあります。

特に去勢済みなのにも関わらず、前立腺肥大がみられる場合には注意が必要です。

2021年12月31日